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永遠のテーマ: ヨガで柔軟性は上がるのか?

更新日:2021年3月31日


2016年ヨガアライアンスのリサーチによると、ヨガクラスに参加するNo1の動機は「柔軟性を高めたい」だそうです。74%のアメリカ人はヨガを「柔軟性を高めるための身体アクティビティ」とみなしていますが(同リサーチによる)、本当にヨガで柔軟性を高めることができるのでしょうか?

いわゆる「ストレッチ」=静的ストレッチは、一般的に柔軟性(可動域)を高めるためのものと捉えられていますが、これについては様々なリサーチが行われており、結果は非常にばらつきがあります。

逆に静的ストレッチによって、パフォーマンスが下がったという報告もあり、私の所属する米国ヨガ協会の先生方は、特に強度の高い運動の前には、ストレッチよりもウォームアップを勧めています

静的ストレッチと怪我の防止の関係を調べた別の調査によると、静的ストレッチによって筋肉が多少緩み、それによって可動域が少し上がったが、それは短時間(20〜30分)しか続かず、因果関係は見つからなかった。


更に踏み込んだリサーチによると、静的ストレッチだけでなく、イーセントリック・ストレッチや動的ストレッチも、可動域の向上の助けにはなっているが、実際に、筋肉や筋膜の物理的な変化(筋肉や筋膜の長さの変化)は見られなかったということです。物理的な変化なしで可動域が向上した理由としては、ストレッチという外的ストレスに対する耐久性がアップしたから、あるいは、主導筋が強化されたから、ということが考えられるそうです。



実は、可動域を上げるには、神経システムが大きく関わっいることが分かっています。可動域を上げるには、神経系的に「安全である」と言う感覚が必要なのですが、その安心感を得るためには、身体のストレングス(強度)、コントロール力、コーディネーション力を高めることが有効強さと柔軟性は相反する物ではなくて、密接に関わり合いながら、可動域にも影響を与えていることが分かっています。


これを静的ストレッチに当てはめて見ると、極端にディープなストレッチは、神経系にとって「安全」どころか「危険」とみなされ、逆に筋肉を緊張させることが分かっています。そのため、限界の位置でストレッチするのではなくて、その少し手間の精神的にも余裕が保てる位置でストレッチする方が効果的と言われています。

ここで、本題に戻りますね。一般的なヨガで、特にポーズを深めるタイプのヨガは静的ストレッチの要素が高く、ポーズを深めたいが為に極端にディープなストレッチをする可能性があります。その場合、自分では可動域を高めるためにストレッチしているつもりでも、実は神経系が危険信号を出して筋肉が緊張し、そのセンセーションがストレッチの感覚だと勘違いする場合があるそうです。そうだとしたら、ヨガで柔軟性を高めているつもりが、逆効果にもなり、更に怪我に繋がる可能性が指摘されています。



先にも書きましたが、柔軟性を高めるには、「安全」であると感じられることが重要であり、それには、強さやコーディネーション力等を高めるのが効果的。なので、ヨガもストレッチ目的のポーズだけでなく、これらを高めるような動きのトレーニングが必要になってきます。

色々なことに言えることですが、ヨガでも「バランス」こそが最も大切。柔軟性と強さ(安定性)は、どちらが強すぎてもバランスが崩れます。ある意味、どちらかに優れすぎている人よりも、どちらも少しだけある人の方が、身体、特にデリケートな関節への負担が少なく、怪我をしにくいと言えるかもしれません。


最後になりますが、柔軟性は、個人の生まれつきの骨格にも左右されます。人はそれぞれ関節や筋肉の作りが異なり、誰一人として同じ作りの人はいない。例えば股関節は安定性の高い関節ですが、人によっては生まれつき大腿骨が関節にしっかり入っておらず、安定性が通常用りも低く、その分可動域が高い場合があります。その場合は、柔軟性を極めるよりも、安定性を高めてあげた方が健やかな関節を保つためには有効なのかも知れません。

私の場合はその逆のパターンです。長年の練習の中で、自分の股関節が構造的に制限があることに気がつきました。気づく前は、無理にポーズを深めようとして膝や腰に負担を欠けてしまい、痛めたこともありました。

ヨガの種類等にもよりますが、ある程度の頻度(週2〜3回)で適切なプラクティスを続けていれば、一般的には1〜3年で柔軟性が最大値に達すると言われています。もちろんここで言う「最大値」の度合いは人によって千差万別ですので、立位の前屈で指が床につかない人もいれば、手のひらがべったり付く人もいる。それ以上の柔軟性を求めるのは、何らかの代償が伴う可能性がある事を知っておきましょう。更に、可動域は筋肉同様、使わなければ失われますので、キープするには定期的な練習が欠かせません。


もう一度言いますが、大切なのは「バランス」、そして自分の身体を知ることです。私たちの身体はとても優秀ですから、身体の声を聞き、無理はしない。「痛み」は神経系による警告アラームなのですから。



ワンダーワークスヨガは、柔らかくなるためのプラクティスではありません。静的ストレッチ、動的ストレッチ、イーセントリックムーブメント、ファンクショナルムーブメントなど、様々な手法を取り入れて、可動域、安定性のバランスを整え、コーディネーション、コントロール、バランス力を高めて身体能力を向上させ、怪我をしにくい身体、いつまでも若々しく元気な身体を目指しています。


ストレッチに関するリサーチは、ここでご紹介した意外にも、とても興味深いものが沢山あります。また別の機会にご紹介しますね。



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